渋谷駅東口地下で進められている雨水貯留施設と渋谷川移設の工事現場が8月29日、報道陣に公開された。工事は、東京ドーム約4個分に相当する広さ(=5.48ヘクタール)が対象の渋谷駅街区土地区画整理事業のうち渋谷駅東口基盤整備工事の一環。
移設後の渋谷川と渋谷駅東口地下広場の位置関係(1/300スケールの模型)
雨水貯留施設の場所は昨年3月で営業を終了した東急東横店旧東館前のバスターミナルの地下。ビル8階分に相当する深さ25メートルまで掘削作業が完了した段階だ。今後、この空間に鉄筋コンクリート製の貯留槽を設ける。最大貯留量は4000トンで、25メートルプールに換算して12~13杯の雨水を貯留できる。1時間に50~75ミリの雨が降った場合に雨水のストックヤードとして使われる。渋谷駅周辺はすり鉢状の地形のため、豪雨時などは冠水することも度々あった。2020年の完成を目指す。
併せて、地下広場整備のため、東急東横店旧東館の地下を流れている渋谷川の移設工事も進んでいる。現在は、渋谷川の東側(=東口バスターミナル下付近)で迂回(うかい)ルートの新設工事が進んでおり、2015年春をめどに上流部分(=東急東横店旧東館地下付近んぽ地下)と下流部分(=渋谷署前交差点付近の地下)で切り替えを行い移設する予定。
基盤整備工事では渋谷川が最も浅い場所に位置するため、将来的には、東横線・副都心線・田園都市線の宮益坂中央改札を出た後、移設された渋谷川の下を通り、新設される東口地下広場を経て地上などにアクセスすることになる。