道玄坂上交差点近くのデジタルものづくりカフェ「FabCafe(ファブカフェ)」(渋谷区道玄坂1)など渋谷かいわいのものづくり拠点6カ所が参加する「TOKYO FABBERS(トーキョー・ファバーズ)」が始動した。
同事業は、3Dプリンターやレーザーカッターなどのデジタルファブリケーション技術(=ファブ)を軸に「ものづくりでライフスタイルを創造する人」「新しいものづくりの在り方を探求する人」を「FABBER(ファーバー)」と名付け、ファーバーをサポートするコミュニティーを創出することが目的。東京都と東京都歴史文化財団が展開する「東京文化発信プロジェクト」の、地域・市民が参画するアートプロジェクトを通じて東京の魅力を創造・発信する「東京アートポイント計画」の一環として実施する。主催は、都と同財団、ファブカフェを運営するFab Cafe LLP。
世界中で広がる新しいものづくりのムーブメントとして近年国内でもものづくりスペースが増えてきているが、「市場全体を盛り上げるには協力が必要」と判断し、まずは渋谷を中心とした各スペースを利用しやすいようにネットワークを形成。ワークショップなどを連携して開くことで作り手の裾野を広げつつ仕事としての成功事例を増やすなど人材の育成を図る。各スペースや個人の活動などを紹介するポータルサイトの立ち上げ、国内のみならず海外に向けて情報発信していくという。
参加するのは、ファブカフェや実験工房「FabLab Shibuya」(宇田川町)、デジタル・アナログ含め100種以上の機器をそろえる会員制のものづくり工房「Makers’ Base(メイカーズベース)」(目黒区下目黒2)、業務用デジタルプリンターで印刷物を制作できる「HappyPrinters」(神宮前3)、ファッションのコワーキングスペース「coromoza」(神宮前6)、ものづくりに携わるさまざまな分野のクリエーターに仕事場としてスペースを開放している「IID 世田谷ものづくり学校」(世田谷区)。将来的には他エリアの拠点も増やしていく予定。
8月からは毎月1回、コミュニティー形成に向けたフォーラムを開く予定で、参加拠点の中から2拠点ずつ共同で企画。1回目となる8月27日は、ファブカフェとメイカーズベースを予定。11月には、ワークショップやプレゼンテーションなどを行うフェスティバルも開催を控える。
同事業は1年ごとの更新で、現状3年をめどにしているがFabCafe LLP川井敏昌COOは「2020年まで続けていきたい」と意欲を見せる。