渋谷のミニシアター「ユーロスペース」(渋谷区円山町)、表参道駅近くの「スパイラルホール」(港区南青山5)を会場に7月12日から、「第23回東京国際レズビアン&ゲイ映画祭」が開催される。
1992年、中野サンプラザ(中野区)の研修室を会場にセクシャル・マイノリティー解放運動の一環として始まった同祭。毎年、セクシュアル・マイノリティーをテーマにした映画を上映している。昨年は関連イベントも含め延べ約5000人が来場した。
日本初公開作品を中心に13プログラムを上映する今回。作品は、2013年カンヌ国際映画祭「ある視点」部門で監督賞を受賞した「湖の見知らぬ男」(アラン・ギロディー監督)、母親から「男性になりたい」と告げられた高校生を中心に、トランスジェンダー・親子問題・思春期の性に関する葛藤を描いた、サンダンス映画祭監督賞受賞作「52チューズデイ」(ソフィー・ハイド監督)など。
日本からは、初恋の男性がゲイであることを知ったことをきっかけに自分と向き合っていく20歳のヒロインを中心に「いちずな好き」をストレートに描く「こっぱみじん」(田尻裕司監督)、ゲイの大学生を主人公に両親らにカミングアウトするまでを描いた「カミングアウト」(犬童一利監督)の2本を上映。一部作品では、来日監督にとるQ&Aや舞台あいさつなども行う。
そのほか、タミル・スリランカ系アメリカ人パフォーマー、ディロさんの20年にわたるアイデンティティー探求と家族との関係を追った「パフォーミング・ガール」(クレセント・ダイアモンド監督)、「X-MEN」などを監督したことで知られゲイであることを公表している米ブライアン・シンガー監督と、レズビアンであることを公表しておりドラマ「glee」に出演している米女優ジェーン・リンチさんを製作総指揮に迎え、iPhne5で撮影された「ロニーと僕」(ガイ・シャレム監督)など4作を上映する「海外短編集」なども予定。
期間中、同性婚を禁止するためにカルフォルニア州憲法の改正を求めた「Proposition8(提案8号)」への抗議から、2組の同性カップルが州を提訴した裁判を基にした朗読劇「8-エイト-」(アツコバルーarts drinks talk=松濤1、同11日~13日)、DJやパフォーマーらを招いたパーティー「Le Grand Bal」(東京サロン=神宮前5、同18日)などの関連企画も展開する。
海外作品は日本語字幕付き。鑑賞料は、1回券=前売り1,400円、当日1,600円ほか。今月21日まで。